先天性患者が挑む幹細胞点滴の再生医療
- OHC
- 2月6日
- 読了時間: 4分
更新日:2月11日

日本国内で先天性疾患と戦い、自家培養による幹細胞点滴と同時刺激リハビリの再生医療に挑戦しているYouTube「ちいりおちゃんねる」の理央奈ちゃんをご存じですか?
彼女は、先天性疾患による低身長症や側弯症(そくわんしょう)を患っており、側弯症の手術の影響で下半身が麻痺しています。
生まれ持った疾患のため、さまざまな障害や症状が身体へ現れている小学生の女の子です。
大きな病気を抱えているはずですが、チャンネルを見ると、これらの障害や症状は彼女のパワーでかき消してしまうことができるのではないか!と思わせるほどに明るく、パワフルで知的好奇心に満ちたキラキラ女子小学生の理央奈ちゃん。
彼女は5歳のとき、側弯症の矯正手術を受けましたが、胸から下がまひになりました。もう一度歩きたいという強い意志の中、大変なリハビリにも根気強く前向きに、そして明るく立ち向かう姿勢は多くの人に影響をあたえています。
そんな理央奈ちゃんは、「骨髄由来の幹細胞点滴」+「同時刺激・リハビリ」という再生医療に挑戦しています。
この治療は、まず骨髄から採取した幹細胞を培養し、培養した幹細胞を点滴で投与します。同時に、狙った神経回路をリハビリなどで刺激してその神経回路の伝導を良くし、新しい神経回路をつくるという再生医療です。
一度完全にしんでしまった脳やせき髄の神経は復活しないと言われています。しかし、その周りにある神経が新たに神経の伝導を良くしたり神経回路を作ったりすることで、しんだ神経の働きを担うということが分かってきています。
ですが、細胞や神経の自ら治る力は、病気やケガ、加齢とともに低下してしまいます。
そこで、幹細胞点滴をすることによって、この細胞や神経がみずから回復する力を上昇させることができるのです。また、幹細胞点滴と同時にリハビリを行うことで、ターゲットとする細胞の再生を促すことが可能となっています。
動画内では、幹細胞点滴での治療の結果、「お腹が動かせるようになったり、少しずつ変化がみられる。すこしでも効果がみられるということが嬉しい。挑戦してよかった!」と理央奈ちゃんもコメントしています。
実際に理央奈ちゃんの治療をてがけた脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、「コミュニケーションがとれるようになった」「会話ができるようになった」「動かなかった四肢が動くようになった」など、脳梗塞・脊髄損傷の8割から9割の患者様が、改善したという症例があるそうです。
「ちいりおちゃんねる」の動画の中でも紹介されている骨髄由来の幹細胞点滴をするためには、理央奈ちゃんの骨髄から直接幹細胞を採取するため、体に大きな負担がかかります。
負担は大きいですが、小児への初めての治療ということで、症例数が多いという観点から、まずは、研究年数の長い骨髄由来の幹細胞点滴に挑戦することになったそうです。また、今後は理央奈ちゃんの体の負担も考慮して、成長過程でちょうど歯の抜け変る時期ということもあり、歯髄由来の幹細胞を点滴治療で使用していく計画になっているようです。
このように、日本では自家培養で培養した幹細胞以外を使用する点滴ができないため、本人への体の負担が懸念材料の一つとなります。
また、摂取する細胞が若ければ若いほど効果が出やすいという側面からも、0歳児の臍帯由来の幹細胞が使用できるようになれば、今後の日本の再生医療の発展と普及に大きな変化があるのではないでしょうか。
「ちいりおちゃんねる」の理央奈ちゃんからは、個人的にもたくさんの元気とパワーをいただいております。
マレーシアの幹細胞治療の研究成果や技術が日本でも実施できるようになり、理央奈ちゃんのような疾患で悩む多くの患者様に届くことをOHCスタッフ一同願っております。